〜就職面接に来ている女性。自分の番が来るまでソワソワしている。

自分の前の人の言葉を聞きながら拳を握っている。

面接官から、自分の名前を呼ばれた。〜

はい。佐藤みちると申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

はい。

多角経営や多くの店舗化を行う同業種の企業が多いなかで、御社は自社のブランドを守り
多店舗化ではなく堅実な経営を行っているということで、お客さまから高い信頼を得ています。
そういった点に大変魅力を・・・。

あ、いえ。

そういった点に・・・。

(大きく息を吐く)え? あ、すみません。緊張しているわけではありません。はい、すみません。

(大きく手が震え始め、それを抑えるようにしながら。)

そういった点に魅力を感じては、います。はい、感じてないわけではありません。

はい。でも、でもやっぱり。ごめんなさい、もういっぱいいっぱいです。

どうしても御社じゃないとダメだというわけではありません。

私、就職面接、これで30社目なんです。

全く決まらないんです。ダメなんです。

私は・・・。私は、幼稚園からお受験で、それから小学校、中学校、高校、そして大学と。
さらに上、さらに上を目指すようにと親に言われてきました。

実際、そうやって1段階ずつ上がってきました。で、最終的にこれです。全く受からない。
誰からも認めてもらえない。こんなこと親にも言えません。
でも、でも、もう、いいです。やめます。
親に気に入られること。会社に気に入られようとすること。
全部、全部やめます。いいんです。

〜いきなり魔法の戦士 パルルの変身ポーズをする〜

私、本当は魔法の戦士パルルが好きだった。ずっと変身したかった。
ずっと戦いたかった。ずっと魔法をかけたかったんです!

だから、だから。私、自分に魔法をかけます。これから戦っていきます。

そっか、逃げてたんだ、私。これからは自分の好きなことに逃げずに、戦っていきます!

〜なぜか、周りから絶賛の拍手をもらう〜

え? え? あ、はい。ありがとうございます。ありがとうございます。(満面の笑み)

〜完〜

※こちらのモノローグは、自由にご利用いただいても構いません。動画アップなどの際には、#森中純子と入れてください。また、ご一報いただければ拝見させていただきますので、よろしくお願いします。