【おやこで物理!】「ニュートリノ」の巻

作:中井たかし

父ちゃん/物理に少し詳しい営業マン。子煩悩。

太郎/好奇心旺盛な小学三年生。野球が大好き。

「父ちゃん、『ニュートリノ』っていうのも素粒子なの?」

「そうだよ。電子と同じレプトンという仲間なんだ。ありふれた素粒子のひとつで
太陽からも1平方センチメートルあたり毎秒約660億個も飛んできているんだ」

「そんなに! ぼくの体にも当たってるの?」

「当たっているというのは、ちょっと違うな。すり抜けているんだ。ニュートリノは
ほとんどの物質に反応しないからな。だから、観測するのがとても難しいんだ。
そうだ、太郎、ちょっとお使いに行ってきてくれないか」

「……」

「太郎? おいおい、反応なしか」

「ぼく、今ニュートリノだから」

「だから、反応しないのか。残念だな、お使いのついでに、好きなお菓子を
買ってきてもいいって言おうとしたのに」

「行く行く! ニュートリノ状態終わり」

「ははは、現金なやつだ」

 

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